Beyond Meat($BYND)の決算内容
決算サマリー
2020年6月期 | 2019年6月期 | 変化率 | |
売上 | $113M | $67M | 69% |
営業利益 | -$8M | $2M | -508% |
営業利益率 | -7.2% | 3.0% | -341% |
純利益 | -$10M | -$9M | -13% |
EPS | -0.16 | -0.24 | -33% |
営業利益、営業利益率推移

カテゴリ別売上の変化
左から、USAの小売、フードサービス、インターナショナル。フードサービス(レストラン)はパンデミックの影響で成長が鈍化する中でのUSの小売りの売上の急増。安定してインターナショナルにおいても販路拡大を継続しました。

今期獲得したLOGO
KFCでのマーケティングテスト、パパジョーンズ(全米展開のピザチェーン)、タコスチェーンのDelTacoなどの新規ロゴ獲得に加えて、スーパー開拓に対しての新製品を継続投入しています。

EPS(一株当たり利益)推移

最新バランスシート
流動資産では、現金222M、売掛金46M、在庫143Mと、在庫が+75%増となっています。在庫増は今期の販売へのポテンシャルと見れば良いのでしょうか・・。(アナリストとの質疑応答でもチャネル在庫の話が出ましたが、、CEOは答えられませんでした。)自己資本比率、流動比率が素晴らしく高く、バランスシートは非常に優秀です。

Ethan Brown CEO コメント
皆さんこんにちは、今日は皆さんとQ2の決算結果について議論できることをうれしく思う。
今期、全世界においてコロナウィルスによる困難なマクロ環境にもかかわらず、初めて$100Mの大台を超えて$113Mの売上を達成することができた。
この急激な成長を維持するために、コロナ影響の多かったフードサービスセクター(レストランなど)から、小売(スーパーマーケットなど)へ軸足を変えたマネジメントチームを誇りに思う。
思い出してほしい。年初は、小売りとフードサービスのビジネスの比率は半々だった。今期は88%が小売で、12%がフードサービスだった。顧客の行動が小売りへと移ったので、チームメンバーは在庫の再転換のために、資産の有効活用を迅速に行った。
結果として、フードサービスが急激に落ち込む中、並外れた前年同期比のプラス成長を実現することができた。
USでは、Sam’s Club(ウォルマート系列)やBJ’s(東海岸中心)などのホールセールクラブでの販売も追い風となった。ウォルマートは2400の店舗でビヨンドバーガーを販売してくれていて、さらにブレークファストソーセージのパテも2200の店舗で販売を開始した。より多くの顧客が容易にビヨンドミートの製品にアクセスできるという会社の目標に対して前進することができた。
コンビニエンスストアのWaWaでもブレークファーストソーセージ製品が購入可能となった。(WaWaはNJからバージニアにかけて東海岸中心で、ガソリンスタンドに併設されたコンビニです:日本ぽくておすすめ。)
弊社製品は、いまや84の国々で販売されており、昨年の51か国から大きく拡大している。今後も新製品の投入など、この成長を加速させていく予定だ。
NPDデータによると、Byond Meatの販売は、競合に対しても良い結果を継続している。(NPD:Point of Sale:POSデータを販売する企業)
◆フードサービスでの今期の販売拡大
Dunkin:Beyond Sausage Wake Up Wrap
Carl’s Jr. and Hardee’s :Spicy BBQ Cheeseburger
Del Taco : Beyond Epic Burrito
Papa John’s : Beyond Meat Pizza
KFC : Beyond Fried Chicken
KFCにおけるテストマーケティングでは、ビヨンドフライドチキンが50の店舗でAvailableとなったが、ロサンゼルスでは、予想より半分の期間で売り切れとなった。非常にポジティブな顧客のフィードバックを得ている。
◆中国マーケットについて
Yum Chinaとのパートナー契約、KFC,Pizza Huto, Taco Bellでの販売が堅調。最新では、アリババが運営するFreshippoのスーパーでの販売ディールを勝ち取った。Sindis(中国の大手食品ディストリビューター)との商談も締結した。
6月には、オランダの食品工場を獲得し、EUでのオペレーションを拡充できた
Value Pack製品を投入したが、これが非常に好調で、対前年同期比で+16%の数量増に寄与した。
最後に、2020年の見通しについては、パンデミックの不確実性が続いていることを考慮して、ガイダンスは引きつづき差し控えたい。
短期的な見通しについては、より透明性のあるデータを提供するために、定期的に評価を行っていく。
◆クロージング
2020年Q2の結果に対しては非常に誇りを持っている。引きつづきCOVID19による不確実性によって新たな困難が出てくるかと思うが、Beyond Meatが市場で浸透してきていることについて深く伝わったのであれば嬉しい。
主な質疑応答
JP Morgan アナリスト
「特にUSでの成長が素晴らしかく、予想していたものよりもずっと良かった。今期の出荷タイミングのズレで増減があったと思うが、小売の在庫レベルを考慮すると、Q3に対してはどのような影響を見ているか?」
Ethan Brown CEO
「Q2の小売経由の売上が非常に好調だった背景には、詳しく触れなかったが、Costcoでの販売増が寄与したことが大きい。彼らの内部資料をシェアすることができないが、Costcoにおける冷凍食品トータルで我々がどのような位置づけであったかについて非常に誇らしい結果となった。家庭への浸透率も大幅に上がり、市場シェアも向上を見た。
チャネルの在庫レベルについては見ていない。」(補足:チャネル在庫についての質問もスルー、在庫レベルがどう売上に影響するか聞きたかったのでしょうが・・)
Bernstein Research アナリスト
「Q3のガイダンスが提供できないことは分かっているのだが、今期の勢いが3Qにどう繋がっていくのかを理解するための手掛かりが知りたい。」
Ethan Brown CEO
「我々は継続して業界の中でもより速いスピードで成長しているので、その点では満足している。我々が本日示した数字においても、継続して競合に対して良い位置につけている。一つか二つの小さなリテイルを除いては、ビヨンドミートの販売の下落を見ていない、非常に強い、継続した成長を見せている。メディアによっても様々なノイズがあるものの、我々は継続してこのセクターをリードし、より良い結果を求めていく。」
総括、まとめ
Q2売上予測99Mに対して、結果は$113M、EPS予想‐2¢に対して、‐2¢。決算は予想を上回ったものの、株価は決算後の時間外取引で‐6%。やはり結果は良かったもののガイダンスを出せなかったことが大きかったなと感じます。株価が下がった理由についてもいくつかのニュースサイトを見ましたが、明確なものはあまり見つかりませんでした。
決算にかけて一週間で126ドル→143ドル付近まで上昇していた株価に調整が入ったというのがしっくりくるような気がします。
ビヨンドミートは、CEOの言葉にもありましたが、メディアのノイズが多いです。スターバックスに対してインポッシブルフードに商談を取られたという記事が出て株価が下落、アリババのスーパーと契約し株価上昇、この二か月でも本当に多くの変動を見てきました。
以下のビヨンドミートに関するニュースをまとめた記事もご参考にしてください。
ビヨンドミート($BYND) : 2020年7月のニュースまとめ
ビヨンドミート($BYND) : 株価に影響した2020年6月のニュースまとめ
今期が良かったというのは、CEOの一連のアピールからも明らかなのですが、Q3も勢い継続して成長できます!という強いメッセージが出せなかったのは残念でした。
個人的には、リテイルへの方向転換の俊敏性・柔軟性がすばらしく、、この販路拡大のペースは非常に早いのを確認できたは良かったです。
実際にNPDなどの小売の生データで市場シェアを確認できれば良いのですが・・、パブリックの情報でないので難しいですね。
市場の拡大が著しいですが、一時的な話題性による拡大では無いことを祈ります。シティバンクのアナリストがレーティングを引き下げた理由はコレでした。
今後も継続してモニターしていきたいと思います。
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