【20/7月期】 ゼットスケーラー($ZS)決算発表。CEOコメント、質疑応答まとめ

企業分析

Zscaler, INC($DAL)の事業内容

ゼットスケーラーは2008年に設立し、クラウドセキュリティを販売している会社です。リモート環境で自社のクラウドへセキュアにアクセスするためのソリューションを提供しています。PCであれ、モバイルであれ、どんな場所にいてもユーザーの安全な接続を行うために必要な技術が強みです。

Zscaler Coludを通して、クラウドから自社のデータセンターへのセキュリティにおいて、

安全なアクセスを可能にするZPA(Zscaler Private Access)、
クラウドサービスへの快適なアクセスを実現するZIA(Zscaler Internet Access)

など競争力の高い製品を提供しています。マイクロソフトのAzure,アマゾンのAWSともパートナーとして連携しており、ZPA for Azure, ZPA for AWSなどのビジネスも好調のようです。

間違いなく働き方は今後も多様化していき、コロナ後もWork from Anywhereが常態化する中には、必要不可欠のソリューションです。

以降詳しく決算内容をCEOのコメント、投資家との質疑応答を中心にまとめましたが、どのような内容であったのかお楽しみください。ちなみに、日本語ではゼットスケイラーと言うようですが、英語での読み方はズィスケィラーです。

Zscaler, INC($DAL)の決算内容

<Q4決算>
EPS $0.05 vs 予想 $0.03
売上 $125.9M vs 予想 $118.55M 

<ガイダンス>
Q1 売上:131M-133M vs 127Mから上方修正 
Q1 EPS:$0.05-$0.06 vs $0.03 

通期売上:580M-590M vs 555.8M 
通期EPS:$0.28-$0.30 vs $0.29

決算サマリー

 2020年7月期2019年7月期変化率
売上$126M$86M46%
営業利益-$45M-$8M
営業利益率-35.7%-9.3%
純利益-$50M-$5M
EPS-0.38-0.04

営業利益、営業利益率推移

EPS(一株当たり利益)推移

最新バランスシート

今期、861Mの転換社債を発行して、流動資産を増やしています。

CEO コメント

Q4と2020年通年の業績は、新規顧客と既存顧客からのアップセルの両方で例外的な成長を遂げ、好調な業績を報告できたことを嬉しく思う。

Q4には、マクロ経済の停滞にもかかわらず、お客様がデジタルトランスフォーメーションを加速する中で、当社のビジネスの勢いが増したことを反映して、売上高で46%、請求額(Billing)で55%の成長を達成した。

境界が無く、ハイパーコネクテッドなデジタル世界において、ユーザーとアプリケーション、またはアプリケーションとアプリケーションを安全に接続する、Zscaler Zero Trust Exchangeと呼ばれるクラウドネイティブプラットフォームをお客様に提供している。

アプリケーションがクラウドに移行し、ユーザーが企業ネットワークの外にいるような、どこでも仕事ができる新しい経済環境(Work From Anywhere Economy)では、従来のネットワークやネットワークセキュリティは無意味なものとなっている。私たちは、ネットワークに依存しないデバイス上で、世界中のどこにいてもユーザーとあらゆる規模でビジネスを行うことができるようにする。

何千ものDVDプレーヤーをクラウドに積み上げてNetflixを作ることはできないのと同じように、パブリック・クラウドに仮想ファイアウォールをどれだけ積み上げても、インラインで高性能なセキュリティ・クラウドを提供することはできない。完全なセキュリティを備えたクラウドネイティブ・アーキテクチャを構築することは困難な課題であり、当社はそのニーズを満たす唯一のクラウドネイティブ・プラットフォームであると確信している。

20年度は、フォーチュン500社のうち150社以上、グローバル2000社のうち450社以上を含む4,500社以上のお客様にご利用いただいた。

※ARR(年間経常収益)が100万ドルを超える顧客が100社以上
企業の平均的な※NPSが30であるのに対し、ZscalerのNPSは76と2.5倍も高く、Zscalerが提供する価値の高さを証明している。

※ARR(ARR−Annual Recurring Revenue)→年間経常収益、つまり今後1 年間に入ってくる売上のことを指します。

※NPS(Net Promoter Score)→顧客ロイヤルティを測る指標です。今まで計測が難しかった「企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるか」を数値化したものです。

次に製品のイノベーションについて。

今年はエンジニアリングチームと製品チームにとって非常に生産的な年となった。社内のイノベーションと、ターゲットを絞った買収により、当社のプラットフォームで利用可能な製品の数を大幅に増やし、技術的リードをさらに拡大した。

当社はソリューションの数を2つから4つに拡大した。また、主力のZIAソリューションは、帯域外CASB(Cloud Access Security Broker)とクラウド-ブラウザ分離という2つの新製品で拡張されました。第二に、市場機会を倍増させるZPAソリューションは、深く幅広い機能を備えた最も成熟したゼロトラストソリューションとなりました。150社以上のグローバル2000社の顧客に大規模に展開され、ZPAはゼロトラストセキュリティのマーケットリーダーとなっている

弊社のメトリックス(指標)に基づいた、繰り返し発生する販売プロセスをさらに磨いたことで、当社のビジネスに対する可視化と、強力で成長性の高いパイプライン(見込み顧客との繋がり)を実現することができた。

各地域の販売組織の構築はほぼ完了。また、記録的な四半期の新規雇用を行い、年末の目標であった、現場販売担当者は前年比60%増となった。このような大幅な増加にもかかわらず、営業生産性は予想を上回る結果となりった。パートナー・プログラムを開始して以来、クラウドに特化したチャネル・パートナーを追加採用し、販売をさらに強化してきた。

今期も、126Mの売上に対して、販売マーケティング費用は$89M、営業利益はマイナスですが、相当な販売投資をして成長をドライブしています。成長性と収益性のバランスを取りながら、市場機会を考慮して成長を優先している、とCFOもコメントしています。

サミットパートナーとの取引が増加し、取引規模も拡大していることを嬉しく思うとともに、私たちの市場開拓チームと、今年の販売戦略をどのように実行したかを非常に誇りに思っている。

お客様が「Work from anywhere」を重視していることから、ZIA事業が加速している。

従業員が自宅からSaaSアプリケーションやインターネットに直接アクセスできるようになると、セキュリティが大きなリスクとなるため、ZIAの需要が増加している。Cloud firewallやSandboxを含むハイエンドの「Transformation Bundle」の採用が継続して増えている。20年度末現在、ZIAの年間経常収益の49%が「Transformation Bundle」によるものであるのに対し、昨年は43%。

私たちの統合されたCASB(Cloud Access Security Broker)の提供は、それ自体が3人のオンサイトエンジニアと年間7桁の費用を必要としていた製品を置き換えている。当社の優れたセキュリティと非常に力的なROIは、CIOとCFOの両方に響くものだった。

彼らは当社のプラットフォーム上で標準化し、3つのベンダーを統合し、業務を合理化してコストを削減した。マイクロソフトやCrowdStrikeとの製品統合も重要な検討事項だった。

2019年の下期にCrowdStrikeとのパートナーシップ契約を発表し、お互いの製品を補完、統合して販売しています。この二社が連携は強力ですね。

次にZPAにスポットを当てたい。ZPAは、どこからでも仕事ができ、クラウドに移行するアプリケーションにも恩恵をもたらしており、引き続き強力に採用されている。

ZPAは、VPNを置き換えるだけのものではなく、マルチクラウド環境におけるプライベートアプリケーションのゼロトラストアクセスへのアーキテクチャの転換だ。ZPAの新規およびアップセル事業への貢献度は、前年の14%に対し、20会計年度は29%だった。当期は、長年の顧客との最大の取引を完了した。その取引をした企業は、すでに全従業員向けに ZIA の全ポートフォリオを購入しており、COVID の流行に伴い、30 万人分の ZPA を購入することで変革を加速させた。ZIA での成功と Zscaler への大きな信頼により、彼らは COVID の蔓延と戦う中、わずか数週間で ZPA を全世界に展開した。この取引の当面の目的はレガシーVPNの排除だったが、ZPAは、ユーザーをネットワークではなく特定のアプリに接続するアプリケーションレベルのポリシーを確立することで、ゼロトラストセキュリティを実装するために選択された。ZPAは、50万以上のユニークなアプリケーションへのセキュアなアクセスを提供しており、その成熟度と規模を証明している。

アジアに本社を置く世界最大級のITサービス企業が、18万人の全従業員にZPAを導入した。この顧客は、パブリッククラウド上のアプリケーションを保護するために、仮想ファイアウォールとVPNを使用していた。この企業では、インターネットに面した各ファイアウォールや VPN を、攻撃から守りたいと考えていた。ZPA を導入したことで、何百ものアプリケーションのインターネットへの露出を 4 週間以内に一握りのアプリケーションにまで減らし、ビジネスリスクを大幅に削減することができた。

マインドセットの変化とトランスフォーメーションへのオープンな姿勢に伴い、CIOレベルの意識とエンゲージメントが高まっているのを目の当たりにした。既存顧客からのサービス拡大のリクエストが大幅に増え、私たちはより大きなトランスフォーメーションプロジェクトの一員となり、ポイント製品を統合し、複雑さを取り除き、コストを削減するための重要なパートナーとなりつつある

クラウドをビジネスにとって安全で、ユーザーにとっても楽しいものにするというミッションに非常に興奮している。

主な質疑応答

アナリスト
「デジタルトランスフォーメーションは明らかにCOVID後に加速している。あなたが経営者と話をする中で、セキュリティの変革が、デジタルトランスフォーメーションよりも先に来るものと考えているか?」

CEO
「答えは「Yes」だ。この新しい時代には、支店のネットワーク上に座っていても、どこからでも仕事をすることはできない。そのため、セキュリティはこの変革において重要な役割を果たす。実際、ネットワークの変革やSD-WANの導入よりも先にセキュリティが優先されると言ってもいい。だからこそ、私たちのビジネスが加速している。COVIDの後、今の勢いが減速するのではないか、と言われても、私は「No」と答える。これは一過性の出来事ではなく、トレンドが加速しているからだ。より多くのCIOやCCOが当社に相談してくるようになっている。」

アナリスト
「21年のガイダンスの売上高を上回るペースで、販売キャパシティを拡大し続けるられると予想しているか?」

CFO
「昨年、販売能力を増やす決断をしただが、正しい判断だった。基本的には、販売能力の増加により、21年度に向けて良いポジションを確保することができている。20年の下期に多くの販売投資をしたので、それが21年度もプラスの影響が出てくる。
市場は私たちのところに来ているので、欠けている部分は、基本的にはGo-to-Market。良い営業組織を構築できたので、それをモニタリングしていく、期待通りの結果が出れば、さらなる拡大をしていく。」

総括、まとめ

Zscalerの決算、非常に力強かったです。CEO,CFOの言葉にも自信がみなぎっていると感じました。粗利率は77%で、近い将来に80%に戻るだろうと言っていました。

一方、営業利益は赤字ですが、彼らが最も主張していたのは、Go to Marketの強化でした。本来は市場を取りに行くための営業部隊ですが、Covidの影響で、市場が向かってきているので、それに対応するためのセールス組織が重要と話しています。

黒字化するのはいつ?というアナリストの質問もありましたが、黒字化がゴールであればいつでもできる、収益性よりも成長をドライブすることに注力していると自信をもって回答していました。

次期のガイダンスは上方修正したものの、今期の成長から見ると控えめの数字です。このマーケティング費用への力の掛け方を見ていると、次回の四半期での成長もかなり期待できると感じました。

Work from Anywhereでセキュリティの重要性が増しましたが、Zscalerの提供しているサービスはまさに市場が最も欲しているサービス。私は前回の決算を聞いた直後に$ZSを購入しましたが、今回の決算を聞いて、まだまだホールドしていくことを決めました。

最新の売上ベースでのPSRは33倍ほど、この一週間でかなりZSの株価も下がったので、超割高から少し買いやすいレベルになってきていると感じます。売上成長率46%は、市場環境とCEO/CFOのコメントからも、さらに成長を維持できそうだと感じました。

CEOがアナリストの質問に対してお茶を濁し始めたら要注意ですが、ZSは自信満々です。CEOとCFOも一心同体で、お互いにリスペクトしているコメントも印象的でした。

NASDAQの急落によって、ZSの好決算もそれに巻き込まれた形で、株価も下がっていますが、多くの会社は、株価目標も引き上げています。

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