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【20/12月期】 デルタ航空($DAL)決算発表。CEOコメント、質疑応答、株価まとめ

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DELTA AIR LINES, INC($DAL)の決算内容

決算サマリー

売上は予測を上回りましたが、EPSは若干Missしました。

売上推移

売上成長率(対前年同期比、対前期比)

営業利益率推移

セグメント別売上比較

貨物事業は+9%でしたが、やはり旅客事業が-74%の大きなマイナスとなっています。

EPS(一株当たり利益)推移

最新バランスシート(左が最新、右が対前年同期)

対前年同期比と比べると、長期負債が2.8兆円ほど増えている一方で、手元の流動資産は1兆円増やしています。現金は1兆円ほど確保している状況で、後述するDaily Cash Burn:一日当たり必要なコスト(メンテナンスや人件費など)を大幅に削減して、このパンデミックを乗り越える体制が整えています。

Ed Bastian CEOコメント

20年Q4は21億ドル、2020年通期では90億ドルの純損失を計上し、デルタの歴史の中で最も厳しい年になった。この回復は一筋縄ではいかないと 言ってきたが、COVIDの感染が世界中で増加し 需要が低迷している。

Q4の弊社の売上高は35億ドルで、昨年の水準の30%程となった。まだまだ厳しい冬が待っているが、ワクチン分野での進展に勇気づけられている。デルタ航空が業界を成功に導き、月が進むにつれて回復へと導くことができると確信している。2020年は困難な年だったが、当社はすべての株主に対して真摯に結果を提供してきた。

私たちは、昨年夏に40,000人の従業員が無給休暇を取得し、1月にも1万人以上の従業員が無給休暇を取るなどして、何とか従業員の雇用を確保し、キャッシュを維持するための活動をしてきた。そして、今年は一人も社員を解雇することなく乗り切っている。従業員のケアを重視していることは、今週のグラスドア誌の「働きがいのある会社100社」でデルタ航空が5年連続で「働きがいのある会社」の1つに選ばれたことにも反映されており、大企業100社の中では最高ランクの7位にランクされた。

Mayo Clinic, Emory Healthcare, Lysol, Purellなど大手ヘルスケア会社と提携し、業界初の到着時に検疫を行わないCOVID試験済みの大西洋横断便を就航させるなど、旅行に対する消費者の信頼を回復し、将来の収益成長の重要なドライバーとなる国境の再開を目指している。

12月のネット・プロモーター・スコア(顧客満足度のスコア)は前年比20ポイント増の71と過去最高を記録し、ビジネス・トラベル・ニュースでは、デルタ航空を10年連続でビジネス顧客向け航空会社のトップエアラインに選出し、調査で測定された12の指標すべてで再び第1位となった。

最後に、株主の皆様のために、流動性の確保とコスト構造の見直しを行った。パンデミックが始まって以来、250 億ドル以上の資金を調達し、流動性リスクを軽減してきた。約170億ドルの流動資産を確保している。当社は、3 四半期連続で営業費用をほぼ 50%以上減少し、コスト構造の変動性を高めている。実際、Q4には、旅客キャパシティが44%減少したにもかかわらず、総経費は前年同期比4.5%減少させた。

これは驚くべき成果であり、これを実現したのは、デルタ航空の全従業員の功績だ。また、コストを抑制することで、売上高のわずかな増加を利用して、12月第4四半期の1日あたりのデイリーキャッシュバーンは1,200万ドルと、前四半期の半分に減少した。

2021年に目を向けると、21年Q1の売上は20年Q1の水準の35~40%に達し、1日あたりのキャッシュバーンは1,000万~1,500万ドルにとどまると予想。ワクチンの流通が継続し、渡航規制が緩和され始め、消費者の渡航への安心が高まり始めば、うまくいけばQ2までにキャッシュバーンが損益分岐点かがプラスに転じることが期待されるため、この春にはそのブレークポイントが訪れると信じている。

月が進むにつれ、ワクチンの普及やウイルスの封じ込めが進み、お客様の旅行への自信が高まるにつれ、需要が加速するものと予想している。これにより、2021年後半には継続的に回復し、今夏には収益性が回復すると想定。

最新の企業調査では、回答者の40%が2022年までに完全に回復すると予想している。パートナーであるアメリカン・エキスプレスも、最近の調査では、回答者の約70%が2020年に旅行をしなかった後、2021年に旅行に行くことを期待していることを示唆するなど、心強い兆候が見られる時間はかかるが、顧客は安全だと感じた時にまた旅行に行きたいと思っている。彼らは自分の人生の1年を奪われたと感じており、それを取り戻す準備を始めている。

それまでは、航空業界の重要性を認識している米国政府の支援があることは幸いであり、先月COVID救済法案を可決してくれた議会と政権に感謝している。この法案の結果、私たちは、追加の給与支援資金として約30億ドルを受け取ることになるが、これは主に当初のケアプログラムと同様の条件で行われる。これらの資金は、前例のないレベルの需要減退の中で何千もの業界の雇用を救う上で非常に重要であり、これが米国の航空業界がパンデミックからの回復に最も適した立場にある理由である。

2020年は困難な年であり、2021年も課題は続くだろうが、私はいくつかのデータを見て励まされており、デルタ航空で築いた基盤を誇りに思っている。デルタ航空は、この危機からより強い競争力を持って立ち上がるために十分な位置を占めており、今後も業界をリードしていく。

主な質疑応答

アナリスト
「ワクチンの状況が明らかになるにつれて、顧客の予約行動に変化はあっただろうか?海外旅行よりは国内のビーチなどへの旅行者が増えているなど兆候があれば教えて欲しい。」

CEO
「まだワクチン接種が開始されたばかりであるし、まだ顧客の予約行動への変化は見れていない。一月は最も旅行が少ない時期でもある。この四半期を通して、よりワクチンのっ接種が広範囲に普及され、その兆候が見えてくることを期待している。」

アナリスト
「今後数年の設備投資についてどのように考えているのだろうか?新規航空機の発注を安心して行えるようにするためには、何を見る必要があるか?」

CEO
「 長期的な設備投資について考えるという意味では、まだ少し早いと思う。エアバスとの調整になるが、今後も需要に応じて評価していきたいと思っている。」

アナリスト
「出張の航空需要においては、中小企業の方が先に帰ってくると言っていたが、その調査結果は驚きだったのだろうか?経済が再開して大企業の顧客が戻ってくるかについてもコメントをいただきたい。」

CEO
「彼らは顧客に出向く必要がある中小企業の経営者であり、彼らのビジネスを継続するために毎日懸命に働かなければならない。そして私たちは、測定可能なものとそうでないものはあるが、中小企業のトラフィックが継続的に改善されていることを実感している。

2週間前に実施した最新の調査では、大企業のお客様の40%が2022年までに2019年の水準に完全に戻ると予想していることが分かった。さらに11%が2023年までに完全に戻ると予想していると回答している。つまり、顧客の50%強ということになる。これらのお客様は、ビジネス出張がどうなるのかを予測しているお客様。7%は2019年の水準に戻ることはないだろうと言ったが、わずか7%だった。そして42%は「よくわからない」と答え、それを把握するにはもっと時間が必要だ。この調査を見るだけでも非常に興味深いものだ。この結果を見たときは楽観的な気持ちになった。今後はまた違った展開になることはわかっているが、私は、ビジネストラベルは今後2年間で復活する可能性が非常に高いと考えている。私たちは、それをサポートするために十分なポジションにいる。

まとめ

デルタ航空、これまでの決算におけるCEOの言葉では、パンデミックに対して悲観的で、顧客の需要が戻ってくるタイミングについても不透明なため、堅実なコストダウンを行っていくと言っていました。航空業界は、飛行機を飛ばさなくても、デイリーキャッシュバーン(毎日必要なコストで現金が必要)がかかります。パンデミックが無い通常では、毎日100億円のデイリーキャッシュバーンが発生しますが、今期の決算では12億円まで減らしてきました。毎四半期ごとにこの数字を改善しているので、デルタ社員総出で会社の経営を持続するために努力していることが分かります。

私は、グロース株の比重が高いのですが、経済再開を8月にデルタの株も$25で購入して保有しています。やはりアメリカ人は一年間家に閉じこもって旅行にも満足に行けていないので、コロナが終わった時のリバウンド需要はハンパでは無いと考えています。

11月にファイザー製薬のワクチンニュース後急騰し、その後下落基調でしたが、今回の決算を受けて株価は数パーセント上昇しました。デルタ航空の変化に対する迅速な対応により、潤沢な流動資産を確保していること、パンデミックの出口が徐々に感じられていることが好感されているのだと考えています。

デルタ航空の決算、CEOの言葉からも、希望の兆しが見えた決算でした。私もデルタ航空には本当にお世話になったので、心からデルタ航空の復活を祈っています!!

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