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【20/12月期】 プラグパワー($PLUG)決算発表。CEOコメント、質疑応答まとめ

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Plug Power($PLUG)の会社概要

PLUG Powerの水素燃料電池は、ウォルマートやアマゾンなどの物流倉庫にあるフォークリフトに使われていて、将来的に長距離トラックなどに使用していこうという大規模なプロジェクトを進めています。United HydrogenとGiner ELXという会社を買収し、水素燃料電池に関わるすべてのサプライチェーンをすべて自社で行う体制が整いました。最近では、韓国のSKグループ、ルノーなどの大手と合弁会社を設立し、未来の水素経済の中心的企業として、注目されています。

Plug Power($PLUG)の決算内容

決算サマリー

売上推移

売上がマイナス$316M、最初目を疑いましたが、ワラント(新株予約権)の権利確定が起因しているとようです。もう少し詳しく見てみると、2017年にAmazonに対して、Plug powerの株式を約$13で購入できる権利を発行したようです。2017年にプラグパワーの経営が厳しい状況の中で、売上を維持するための対価として、製品の販売に対して、リベートの位置づけでワラントを発行したのだと思います。今回プラグパワーの株価が急騰していることを受けてAmazonが権利を確定させたのでしょう。実際の株価との差額がコストとして、売上から差し引かれたのだと推測しました。(色々調べましたが、売上から差し引く経理的な処理については、正確には理解できませんでした。)

最終的には、ワラントは権利確定させたので、来期以降は通常通りの売上計上でより理解が簡単になるだろうとコメントしています。

したがって、今回の決算におけるトップラインの売上、利益の数字だけでは無く、プラグパワーの重要なKPIである、Gross Billingなどを見ながら、分析していく必要がありそうです。

売上成長率(対前年同期比、対前期比)

CEOコメント

プラグパワーの年末の決算カンファレンスコールに参加してくれてありがとう。2020年は、誰もが知っているように、非常に困難な年であったが、プラグパワーにとっては非常に幸運な年だった。

私達は、世界が化石燃料から脱却し、グリーン水素を受け入れることを実感してきた。専門家によると、2050年までに世界のエネルギーの18%から23%を水素が占めると予測されており、現在急速に普及が進んでいる。私たちプラグパワーは、この時を待って何十年にもわたって技術セットを構築してきた。これまでの活動は、技術的なことの確立よりも、より燃料電池の商業市場の構築に力を入れてきた。

私たちのターンキーソリューションは、燃料ステーションと燃料電池を構築して、水素を販売し、アフターマーケットサービスを提供することを含む上流から下流のエンドツーエンドのソリューションを提供してきたことで、今の立ち位置がある。

アマゾンやウォルマートとの関係は、当社の製品を改善するための洞察力を与えてくれただけでなく、なにが、当社のポートフォリオの中で不足しているか手掛かりを特定するのにも役立っている。

大企業のSustainability(サステイナビリティ:持続可能性)の目標は現実のものであり、市場の拡大にはグリーン水素の必要性があると考えた。グリーン水素もまた、再生可能エネルギーのコスト低下と密接な関係によって、ここ数年で実用化されてきた。

この洞察は、2020年に3つの決断を下す原動力となった。1つは、電気を水素に変換する電解槽技術のリーディングカンパニーであるGiner ELX社を買収したこと、2つ目は、民間企業として初めて大規模な液体水素プラントを建設したUnited Hydrogenを買収した。そして最後に、2025年までに1日500トン、2028年までに全世界で1日1,000トンの能力を達成する、米国初の全国グリーン水素ネットワークの構築をコミットした。

そのうちのいくつかを挙げてみよう。BrookfieldとApexは、グリーン水素を生成するための低コストの再生可能電力を提供するために、プラグパワーと提携した。この提携によって、2022年末までに、プラグパワーが米国で利用できるグリーン水素は1日あたり70トンから100トン以上になるだろう。

世界的な大手自動車メーカーであるルノーは、小型商用車市場にフルターンキーソリューションを提供するプラグパワーの能力を評価した。彼らは、これらのEVの経験から、車両以上のものを提供する必要があると認識していた。車両と給油所の販売を行う合弁会社は、Q2末かQ3初めまでに正式に設立される予定だ。

韓国第2位のコングロマリットであるSKは、水素産業で完全なソリューションを提供できるのはプラグパワーだけだと認識していた。大型製品から水素プラント、電解槽、その他アプリケーションまですべてを構築する。韓国には第2のギガファクトリーを建設する予定だ。この合弁会社のタイムラインは加速しており、Q3半ばには正式にクローズする予定だ。また、ご覧になった方もいるかもしれないが、SKは昨夜、Plug Powerへの16億ドルの投資を最終決定した。

そして、もう一つのステップとして、プラグパワーはスペイン第2位の再生可能電力会社Accionaとの契約を発表した。この合弁会社は、イベリア半島に100トンのグリーン水素発電設備を建設する計画です。2021年にはさらに多くの提携を発表する予定だ。

2020年にはGross Billing(総請求額:Plug PowerのKPI)が42%増加し、3.37億ドルを達成した。私たちは今、成長に必要な現金を除いては、すべて自社の事業からキャッシュを生み出している。2021年には、Gross Billingが4.75億ドルを超え、すでに93%以上は計画に組み込まれている。そして、10%代後半の年間粗利率を達成すること。そして2022年には、7.5億ドルのGross Billingを達成に向けて前進していきたい。

主な質疑応答

アナリスト
「今日お話しした2022年の目標に追加する可能性のある4つの顧客とその他の顧客について、どのような見通しを持っているのか教えて欲しい。」

CEO
「先ほど紹介した4つの顧客が、当社の展開の大部分を占めると思う。4億ドル規模の出荷可能額があるので、2021年に一部出荷ができればと思う。4社のうち、一社が売上の30%ほどを占める規模になると考えている。」

アナリスト
「最新のルノーとのパートナーシップの進捗について教えて欲しい。」

CEO
「ルノーと培ってきたビジネスモデルは、他にも展開できるものだと前向きに考えている。一つの考え方としては、自動車部品のサプライヤーの扱いの立ち位置にはなりたくないということ。意図的に、自動車を共同で販売するという構造にしている。

日産のようなティア2のプレーヤーとはすでに仕事をしている。2021Q4~Q1にかけて、小型商用車の分野での展開を開始するという積極的な計画を立てている。グリーン水素に関しては、1キロワット時あたり0.04ドル以下の電気代で、特に燃料としてのグリーン水素は非常に競争力があると考えている。」

総括、まとめ

プラグパワーの決算、今回は前回と比べると多少控えめな印象を持ちました。前回は超楽観的なコメントが多かったですが、今回は地に足をついた発言が多かったのではと思います。

決算の数字だけを見ると、大きく外していますが、今回のワラントの権利確定による売上が見かけ上大幅に減少したことなども含めて判断する必要があります。見かけ上の売上がトリッキーなので、Gross Billingを売上の代わりに経営指標にしているので、この数字に注目が必要ですね。

昨今ニュースでも話題になった韓国のSK、またルノーやAccionaの合弁会社の設立を見ても、プラグパワーの将来的な拡大へ向けた種まきの多さに驚いています。CEOのコメントの中にも、2021年には、さらに多くの提携を発表する予定だとありました。一つ一つのディールが、非常に規模が大きく、年間の売上を軽く超える投資を受けて、将来的な展開を加速しようとしています。

まだ売り上げ規模は500億円にも満たない会社に、株価は急騰し、昨今下げている最新ベースでも時価総額は2.5兆円ほどの価値がついています。これだけ多くの提携を発表してきているので、今後期待したのは、2024年に売上17億ドルの目標を掲げていることの上方修正。来年は4.75億ドルのガイダンスですが、こちらも昨今提携発表したパートナーと、実際に売上が立ち始めれば上回る可能性もあると匂わせていました。

現時点でかなりバリュエーションが高くなっているので、金利上昇局面では不利な銘柄の一つかなと思います。実際にこの1.2週間は非常にボラティリティも高く、株価は乱高下しています。

海外のビッグネームとの提携は、大きなポテンシャルを感じますし、今年に入ってからも増資をしているので、成長に向けたキャッシュは潤沢です。バランスシートの資産は一年で3倍になっていますので、適切な事業拡大に期待したいです。

プラグパワーの決算記事を書くのは3回目です。過去2回の決算記事もご参考にしていただければと思います。

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