セールスフォース($CRM)の決算内容
決算サマリー
2020年4月期 | 2019年4月期 | 変化率 | |
売上 | $4,865M | $3,737M | 30% |
営業利益 | -$140M | $210M | -167% |
営業利益率 | -2.9% | 5.6% | -151% |
純利益 | $99M | $392M | -75% |
EPS | 0.11 | 0.49 | -78% |
自己資本比率 | 64.5% | 61.5% | |
流動比率 | 114.6% | 107.5% |
売上、営業利益、営業利益率推移

EPS(一株当たり利益推移)

バランスシートの変化(最新左・前年同期右)
自己資本比率は高く、財務体質は良いです。固定資産の比率が高いですが、そのうち70%がのれん(Goodwill)が占めています。過去に多くの会社を買収して、買収額と実際の資産価値との乖離がのれんとして上乗せされています。

配当金、配当利回りの推移
成長企業のため、これまで配当金を出しておらず、グロースに投資されています。
CEO コメント
マークCEO
・いつもはセールスフォースタワーの最上階から話しているが、今回は自宅からとなる。5万人を超えるすべての従業員が今は在宅で業務を遂行している。
・自宅からの営業、マーケティング、サービスを余儀なくされているが、その間に38000ものセールスフォースケアへの契約があった。
・Tableauはまたアメージングだった。彼らは無料の分析プラットフォームを構築し、ウィルスをトラッキングするためのデータ視覚化のダッシュボードは、多くの国や政府に使用されている。毎日NYのクオモ知事が感染者や入院患者数のグラフを見せているが、それもタブローのツールが使用されている。
・売り上げは対前年で3割増、営業キャッシュフローは19億ドルを達成した。きゃしゅフローは減少したが、今回は営業コミッションの保証などに多くの経費を充てたことが効いている。
・我々のCRM製品のポートフォリオにより、どんな会社であれ、デジタルトランスフォーメーションを可能にすることができる。
・Q1に、AT&Tと大型契約を締結した。今後5Gを普及させるにつれてより多くの顧客とつながる経験を普及させようとしている。彼らの小売店舗、コールセンター、配信メール、オンライン、ホームサービスなどすべてをCustomer360(CRM製品)により繋げることができる。
・フォーチュン500の75%のCEOは、このような危機において、会社はテクノロジーの観点で変革する必要があると答えている。
主な質疑応答
Cowen and Company -アナリスト
「明らかに多くの会社がより厳しいQ2の見通しを立ているが、ディールの後ろ倒しや売上の縮小は見ているか?」
マークCEO
「今年度の売上見通しについてはこのパンデミックは限定的であると考えているため、今後も成長を継続できると考えている。ただこの危機を冷静に分析すると、Q2の成長率は10%以下になると予想している。業界としては17兆円の市場があり、最速で成長しているので、この影響は一時的なものと考えている。」
Evercore ISI –アナリスト
「今後秋にかけてどのようなことが起きるのか、貴社にはCRMソフトを販売しているため、幅広い顧客のデータポイントがあるはず。今何を見ているか、今後どのような予測が建てられるか、ビジネス成長を推測するために教えてほしい’。」
マークCEO
「それは良い質問だ。我々は一連の製品やプログラムを通して対応している。産業ごと、地域ごとに異なった影響が出てくると考えている。AT&Tのように、この危機的状況で、デジタル化に対して変革しようとする大企業もある。3月4月においてもベストな契約予約数(Bookings)を記録したことは非常にポジティブに受けとった。将来については非常に楽観的に見ている。」
総括、まとめ
セールスフォースの決算ですが、パンデミックの影響の中、売り上げ30%増と力強さを見せたものの、先々の売上見通しに弱気な数字が出たために株価は4%程下落しました。CEOが最も強調していたのは、業界No1のシェア、成長率を誇っていること。Q2どうなるんだ???といういくつもの投資家からのツッコミに明確な安心感を与えられなかったことが影響しているのではと思います。
業界のポテンシャルはいまだ計り知れないので、間違いなく今後も売上を成長する余地は大きくあるのではと考えています。
ちなみに、私はタブローが大好きで、仕事でもデータを視覚的に見せるために重宝しています。今後もセールスフォースの動向をウォッチしていきたいと思います。
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