Slack($WORK)の会社概要
Slackは、ビジネスにおけるコミュニケーションのプラットフォームを提供している会社です。トピックやプライベートグループやダイレクトメッセージ毎に整理されたチャットルームを備えた機能が好評です。本社はサンフランシスコの中心地にあります。
直近でアマゾンとの業務提携を発表したり、今回の決算においても売上が増加した中で、決算後株価は10%以上下落しました。CEOの言葉や質疑応答から、何が起きたのかを読み解きたいと思います。

Slack($WORK)の決算内容
決算サマリー
・20 年4月期の売上は、2億ドルで、前年同期の1.35億ドルと比べて、49%の増収となりました。
・営業利益は-7600万ドルで、前年同期の-3800万ドルから100 %の減益となりました。
・純利益は-7500万ドルで、前年同期の-3300万ドルから128%減少しました。
・EPS(一株当たり利益)は-0.13ドルで良化しましたが、投資家はこのパンデミック下でより高いパフォーマンスを期待していたため、株価は14%下落しました。
2020年4月期 | 2019年4月期 | 変化率 | |
売上 | $202M | $135M | 49% |
営業利益 | -$76M | -$38M | -100% |
営業利益率 | -37.8% | -28.1% | -34% |
純利益 | -$75M | -$33M | -128% |
EPS | -0.13 | -0.26 | 50% |
自己資本比率 | 38.9% | 50.2% | |
流動比率 | 332.4% | 186.6% |
売上、営業利益、営業利益率推移

EPS(一株当たり利益推移)

バランスシートの変化(最新左・前年同期右)

配当金、配当利回りの推移
配当金は成長企業のためこれまで出ていません。
CEO コメント
スチュワートCEO
・9万社が今期あらたにSlackのサービスを使用し始めた。トータルは75万にまで拡大した。
・在宅勤務の急増により、Q1はSlackにとって、力強く、生産的で、エキサイティングな四半期となった。我々は3月に在宅勤務を開始し、多くの会社もWork From Homeを開始した。多くの組織や従業員が、フリープランから初めてSlackを使用し始めた。
有料ユーザーのSlackの利用時間が前四半期90分→今期120分に増加した。
・法務省, ハーバード大, Virgin Media, CISA, サイバーセキュリティインフラエージェンシー, 日本のリクルート、JR西日本旅客鉄道など、多くの顧客に対して、サービスの拡大を行った。963の顧客から、年間$100K以上の支払いを受けている。
・Amazonが、我々のプラットフォームのスケール、力強さからSlackを選んでくれた。我々はまたAmazon Web Serviceと戦略的なパートナーシップを拡大し、強固なSlack/AWSのインテグレーションなどを含めて提携する。
・我々のサービスをより広範囲に導入するよう、中長期的に投資を加速していき、よりアグレッシブに市場を取りに行く。多くのエンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーやセールスを雇用し、さらにM&Aも模索しているところだ。
主な質疑応答
Piper Sandler アナリスト
「今期ユーザーの使用率が120分まで増加したとコメントがあったが、コロナ後の世界でSlackの使用率はどのように変化していくと思うか?貴社の製品ロードマップへの影響はあるのだろうか?」
CEO
「それは非常に良い質問だ。自身の頭の中では、コロナによってロードマップを変更しようとは考えていない。ユーザーの平均使用時間が改善したので、それをより良くしていこうと考えている。Slackの使用時間はユーザーの職場環境に依存する。今回、より多くの人がSlackを体験し、長時間の使用を見せた。そこに利便性を感じ、今回使用した従業員が、次の従業員へと広めていくことが可能だと考えている。」
Credit Suisse アナリスト
「製品開発への投資について語ってくれたが、プラットフォームのスケールやユーザー体験に対しての投資は、どのように市場に対して中長期的にインパクトを与えるか?」
CEO
「我々はまさに今後20年でコミュニケーションがどのようになっていくか、どうそれをサポートできるかを考えている。チャネルをシェアし、プラットフォームを交差することは、より多くの組織に対して、より多くのコンテンツやアプリ、ワークフローを提供できることにつながり、それは非常に有益だと考えている。すべてのソフトウェアをSlackに入れるということではなく、多くのものを接続し整流化することで、よりユーザーが容易に扱えることを目指している。」
Wells Fargo アナリスト
「AWSとのパートナーシップについて聞きたい。これはAWS ChimeとSlack、EKMなどほかのピースを融合することになると思うが、今後のビジョンとポテンシャルについてもう少しシェアして欲しい」
CEO
「多くの会社がAWSを使用しているので、よりシンプルで実用的なオファーができる。ネットワークのエンジニアが何度もインプットとアウトプット作業を繰り返して設計していたプロセスが大幅に軽減できる。その結果会社内で非常にシンプルなアプリケーションを構築することが可能になると考えている。これにより、SlackとAWS間で非常に強固なインテグレーションを可能にする。」
総括、まとめ
今週、ZOOMやZS、DOCUなどのSaaS系企業のイケイケドンドンの好決算を見てきたので、物足りなさを与えてしまった決算だったのではないかと思います。また無料ユーザーは劇的に増えましたが、有料プランの契約は12000社にとどまるなど、今後の成長に対して自信を与えられませんでした。チャネルの共有、AWSとの提携についての質問もありありましたが、もう少し具体的にどう売上利益の成長に中長期的につながるかをアピールできれば良かったのかもしれません。
+49の売上で株価が10%以上下落、なかなか厳しい世界です。それだけ投資家の期待が高い企業ということは間違いありません。
PS. 個人的には、職場では他のチャットアプリを使っていますが、Slackも一度体験してみたいです。
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