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【20/6月期】 アリババ($BABA)決算発表。CEOコメント、質疑応答まとめ

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Alibaba($BABA)の決算内容

決算サマリー

 2020年6月期2019年6月期変化率
売上$21,762M$16,741M30%
営業利益$4,912M$3,551M38%
営業利益率22.6%21.2%6%
純利益$6,573M$3,096M112%

営業利益、営業利益率推移

事業別売上

以下は決算資料から、Alibaba Cloudの高成長が継続しています。前期も58%増だったので、その勢いを維持していることが分かります。

最新バランスシート

CEO コメント

◆デジタル化の浸透について
これらの数字は、世界をリードする消費者コミュニティとしてのタオバオの継続的な強力な消費者マインドシェア、健全なユーザーの粘着性、魅力的なユーザー体験を反映している。

COVID-19は、消費者行動と企業のオペレーション双方において、デジタルトランスフォーメーションを加速させた。アリババはこの恩恵を受けており、Eコマースやクラウドコンピューティングを含むほとんどの事業が回復し、健全な成長を加速させている。

パンデミックは、マクロ経済環境や日常生活を根本的に変化させまたが、同時に新たな機会ももたらした。デジタルの採用と変革は、このように変化した環境の中で広く行き渡ったトレンドであり、私たちは、このような厳しい環境の中で、その機会を活用することで、アリババの未来を創造することができると確信している。

◆アリババクラウド
IDCの最新レポートによると、アリババクラウドは中国最大のパブリッククラウドサービスプロバイダーとしての地位を維持しており、アリババクラウドが市場でのリーダーシップを強化していることを物語っている。今期、インターネット、金融サービス、消費者向け小売、公共サービスなどの分野で、当社のクラウドコンピューティングの売上が対前年同期比59%増となった。アリババクラウドは、インフラサービスとして提供するだけでなく、お客様の実世界のアプリケーション要件に対応するために、業界に特化した技術やビジネスソリューションを開発している。

◆中国マーケットプレイスの今後
2020年6月に終了した12ヶ月間で、当社の中国リテールマーケットプレイスにおける年間アクティブユーザーは7億4,200万人に達し、四半期で1,600万人の純増となった。私たちの中国の小売市場のモバイルMAUは8億7400万人に達し、3月から2800万人の増加となりました。
第一に、特に未開発市場でのユーザー獲得を継続する。10億人以上の中国の消費者にサービスを提供するという中期目標の達成に向けて取り組む。
第二に、特に現在Eコマースでは浸透していないカテゴリーでの商品供給の拡大を継続する。
第三に、ライブストリーミングやショートビデオなどの新しいコンテンツフォーマットを通じて、プラットフォーム上でのショッピング体験を強化し続けることに注力していく。

◆小売り事業
過去数年間の新規小売業への投資により、当社の食料品事業であるFreshippo、Tmall Supermarket、Taoxiandaは、パンデミックの間に前例のない成長機会を獲得することができ、この四半期も健全な成長が続いている。
(補足:アマゾンのように、Ecommerceだけではなく、リアル店舗への積極的に投資をしています)

◆Ele.me(外食配達プラットフォーム)
Ele.meは、外食配達プラットフォームから、総合的でデジタル化されたローカルサービスプラットフォームへと変貌を遂げた。Ele.meは、外食に加えて、食料品、生鮮食品、医薬品、花などの日用品の配達も行っている。Q1は、業務効率の改善により、前年同期比でプラスとなった。また、前年同期比でもGMV(プラットフォームの総取引額)がプラス成長を遂げており、事業の健全な回復を示している。

◆Lazada(東南アジア向けEcommerce)
今期も引き続き好調で、受注量は前年同期比100%以上伸長した。パンデミックは多くの東南アジア諸国に大きな影響を与えていて、多くの消費者がオンラインショッピングを利用している。私たちは、オンラインショッピングが増加していることは、長期的にはこの地域のE-commerceの健全な成長に貢献すると考えている。東南アジアは、当社のグローバル化戦略における戦略的優先事項であり続ける。競争の激しいこの地域で、Lazadaの新たなリーダーシップのもと、アリババのテクノロジーを活用して現地の消費者やビジネスパートナーにサービスを提供し、持続可能なデジタルビジネスを構築することを目指す。

◆Alibaba.com(海外向けE-commerce)
Alibaba.comと1688.comの2つの事業は、今年新たな市場機会を得た。世界的なサプライチェーンが寸断され、中国の工場がいち早く生産を再開したため、多くの国際的な卸売業者がAlibaba.comを利用して中国から製品を調達するようになった。

6月には、Alibaba.comの1日のアクティブバイヤーは前年比100%以上増加。1688.comでも、中国経済の再開に伴い、供給を求める中小企業、特に小規模小売業者の数が増加した結果、デイリーアクティブバイヤーの数が対前年同期比で、50%以上増加した。また、パンデミックは企業の働き方を変え、クラウドインフラやサービスの需要を加速させている。

◆米中貿易摩擦について
中国企業に対する米国政府の政策の最新の変化を注意深くモニターしているが、これは非常に流動的な状況にある。我々は潜在的な影響を慎重かつ徹底的に評価していて、新たな規制を遵守するために必要な行動を取るつもりだ。

主な質疑応答

Citiアナリスト
「東南アジア向けEcommerceのLazadaについて、貴社の差別化されたアプローチや競争力はどのようなレベルだろうか?今後どのように進化し、どのようなポジションイングをしていくのかについて教えて頂きたい。」

Daniel Zhang CEO
「先ほどコメントしたが、東南アジア市場はアリババのグローバル化戦略における戦略的優先事項だ。そして、Lazadaのオペレーションを見てみると、よりテック主導、AI主導の持続可能なビジネスを構築することに重きを置いている。この市場はの競争は非常に激しいが、我々は強く、長期的に持続可能なビジネスを構築できると信じている。アリババの技術インフラ、特にAIや検索・レコメンド、需要と供給のマッチングの仕組みにおける経験とノウハウ、技術については我々の大きな強みで、優位性は高い。

Lazadaは、アリババのグローバルネットワークの一部であり、ローカルからローカルへの販売だけでなく、中国から東南アジアへ、他の国から東南アジアへの販売をしようとしている。

中国市場と東南アジア市場の最大の違いは、東南アジアではソーシャルネットワークが非常に人気である。重要なプレーヤーと連携し、市場での競争力を高めていく。」

アナリスト
「アリババクラウド事業の成長の持続性について教えて頂けるだろうか?最近、クラウドの導入に対してより積極的になっていると思われる特定の業種はああるか?価格設定も含めた競争の状況を教えて欲しい。」

Daniel Zhang CEO
「クラウドは急成長しているビジネス。私たちの売上の内訳を見てみると 明らかに クラウドは非常に非常に速い成長を遂げている。すべての業界がデジタル・トランスフォーメーションの過程にあることがわかる。つまり、クラウドへの移行は業界にとって非常に重要なステップだ。

そして、遅かれ早かれすべてのビジネスがクラウドに移行すると私たちは信じている。そのため、短期、中期的には急成長が続くと考えている。また、長期的に見ても、これは企業の仕事の仕方やビジネスのコラボレーションの仕方を完全に変えることになるだろう。また、業界の発展という点では、あらゆる業界がクラウドを受け入れている。最初の一歩を踏み出すのはインターネット企業の方だと思う。だから、インターネットは非常に、非常に重要なセクターです。しかし、ここ数ヶ月で、金融サービス、小売、公共事業へのビジネスも始まっているので、まだ成長の初期段階にいると考えている。

我々は、インフラサービスという意味でクラウドだけを提供したいわけではない。インフラサービスとして、SaaSサービスとしてだけやってしまうと、価格競争は避けられず、クラウドサービスはすべてコモディティビジネスのようなものになってしまう。今のアリババのクラウドは、クラウド+インテリジェンスサービスだ。そして、クラウド+データ活用の力ということだ。

だからこそ、SaaSパートナーと一緒にPaaSやPaaSサービスを使った業界特化型のソリューションを開発することに力を入れており、今後もそれを続けて市場のリーダーシップを高めていきたいと考えている。」

総括、まとめ

アリババ、対前年同期比で34%増と予想を上回りました。その後株価は低下しました。トランプ大統領の動きに対しての懸念から、投資家も米国市場で$BABAへの警戒心も強いようですね。

クラウド事業の成長率も非常に高く、今後も高成長が続くとCEOは力強くコメントしていましたが、一方で営業利益はマイナスなので、アマゾンのようにAWSで利益を稼いで他の事業に投資する構図ではまだありません。クラウド事業への投資規模は破格です。4か月前に、サーバー、チップ、データセンター、ソフトウェアに対して、今後三年間で約3兆円をの投資を発表しました。この市場でリーダーになるんだという意気込みが伝わってきます。

E-commerceも伸びました。JD.com、Pinduoduoなどとの競争も激化していますが、中国を中心に8.74億人のモバイルユーザーがいるので、、この力はすごいですね。コアのマーケットプレイス事業で利益を稼いで、クラウドや他のテクノロジーで総合的な市場リーダーを目指す戦略。これらの新規事業の持続的成長と、収益モデルの改善が見られれれば,さらなる株価へ好影響が期待できると思います。

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